真Vプレイ済です。神だけに神ゲー
復讐の女神編2周と創生の女神編1周して悪魔全書100%までやりました。面白かった!
元々真Vがかなりお気に入りのゲームだったのですが、まあ気になるところなくはなく…それが完全版でいくら遊びやすくして追加要素とはいってももう1度フルプライスで、引き継ぎはほぼなく、中盤分岐なのに最初からと。
発表時に公開してた映像でも真Vは納期が足りず入れられないものが多くあった、シリーズで大事なものは悪魔だと再認識した(今!?)みたいな話もあり、これで真V購入済みの一般ユーザーが素直に楽しみって思うのは難しいレベルのスタートに感じたのですが…逆撫でしてるって思われても仕方ないくらいに思っちゃったよ!
真Vもう1周くらいしたかったし買っちゃうかくらいで遊んだところ、できる限り直した遊び心地も手の込んだ追加要素も、何より真Vの良さを活かした再構築も素晴らしく、懸念を吹き飛ばす大満足のゲームでした。
最初からこれくらいがんばれって言われることをもはや全く考えず、真Vの素材を使ってできることできる限り全部やりました!みたいな感じ。もう1度こんなに楽しませてもらってありがとう。
悪魔について
大事なのは悪魔だと言うだけのことはありました!
ユニークスキルによる差別化、マガツヒスキルの追加、モチーフの神話に興味が湧くような会話をしてくれる悪魔の裏庭、どれもよかった。クエストナビ追加もあそこまでしてくれるならもう好きな悪魔でやらせてほしいくらい。
色々な方向から悪魔という存在への愛着が湧くようになっていたように思います。Vで気に入っていた悪魔とたくさん会話できたのに加え、ハヤタロウの加入が早く(オソタロウって呼ばれているの後で知りました)咆哮系スキルが強いゲームなのもあり非常に頼りになったのも嬉しかった。
固有マガツヒスキルと特殊合体が増えたことでパーティが常にカツカツなところは惜しかったです。
好感度マックス会話まで聞きたいけどできなかった悪魔もたくさんいました。正直神意での解放ですらなく最初からマックス数+αでもよかったのでは。
固有マガツヒスキルよすぎる。終焉のカディシュを一番よく使いましたが、見れてないのもあります…本当にカツカツで…
ユニークスキルのおかげでバトルもさらに駆け引きの面白さが増しており、考えた行動がうまくハマった時の楽しさといったら。ボス戦が良く、特にカディシュトゥ戦が最高でした。
レベル差の補正も緩和されたような。気のせいかもしれません。
1周目Lv99時点で人修羅ノーマルも倒しました。Vの時追加コンテンツ遊んでなかったので初です。レベルを上げて万能で殴るが全く通用せず、育成含めて手間も考えることも多く、ターン制のバトルでもここまで歯ごたえ出せるのだなあと新鮮な気持ちでした。大変だった…
キャラクターとストーリーについて
中盤分岐と言いつつ最初から違う!が真っ先に出た感想でした。新キャラクター尋峯ヨーコとカディシュトゥがスパイスとなり、似ているけど異なる物語に変容していくのは胸が躍りました。序盤こそちょっと継ぎ足し感ありましたが、どんどん馴染んでいって。
人間キャラクターがプレイアブルの仲間にも敵にもなるのは真Iを思い出して懐かしく、描写も元ある要素を活かしながらよりわかりやすくしてくれたことで、素直に皆のことが好きになれました。
ヨーコとタオは異なる考えを持つ2人として、主人公が選んだ選択肢に応じて考えを述べてくれるのも明らかな対比になっており、後でこの2人もしくはその考えを選び取ることになるのだろうと感じさせてくれるのが明示的でよかったです。
そして対立軸だけでない人間としての2人の交流も多くはないセリフからちゃんと伝わってきました。
ベタだけどよいなーって思ったところ。要所要所で王道をきっちり押さえていくところがVVは強いなと思います
タオの今の世を信じる危うさや強引さはヨーコとの対比で強調され、心情がよくわからなかったユヅルは妹ミヤズの境遇から世の不平等さに強い怒りがある文脈が追加され、イチロウは不安定さをマンセマットに付け込まれることで"正しさ"への傾倒が補強されるとともにマンセマットの魅力の描写にもなるという。
フワフワして薄味だったキャラクターたちが、それぞれ多面性のある生きている人間になっていたように思います。それでもイチロウは急だったけど…
タオ&ヨーコもユヅル&イチロウも破壊させる前提の友情描写笑わずにはいられない
追加キャラクターがいい味出している一方で、アマノザコと八雲&ジョカはちょっと割を食っていたような気がします。後者はちょっかい出してくる謎の美女が多すぎるのもあり…
でも浅草で主人公に話してくれるのがジョカから八雲になっていたり、相手に生きてほしいと願うのが八雲からジョカになっていたり…と創生編を遊んでいると気づける違いが多くありました。ジョカを傍に置く矛盾の指摘の流れもよかった。
Vでも惜しい2人でしたが、VVも別の惜しさを感じました。ユーザーからの圧倒的人気を得るポテンシャルがあると思うのに…
コンスとミヤズは悪魔のいない世界である真・人間ルートの条件イベントな一方でやむを得ずユヅル不在だったのが引っかかっていたのですが、ちゃんとユヅルとメインストーリーに絡め直しており、よかったです。
創生編遊びなおしてわかったのですが「ミヤズの境遇から世の不平等さに怒り、本人の意思を無視して愛による自己犠牲を先行させる」は、コンスにあった要素がユヅルにまるっと引き継がれているんですね。
ユヅルという人間、兄妹のすれ違い、コンスとミヤズの若干の身勝手さを描くにあたっても納得感があり、パズルがうまい。ミヤズのために生きていたはずのユヅルに対し、哀れという感想を述べる選択肢があるのがやるせなく感じつつも選んでしまう。
アオガミは最初から主人公を信頼し守ってくれるキャラクターでしたが、復讐編はそれを当初はプログラムだったが今は人間とその情緒を学んだアオガミの心が為しているのだというストーリーに仕立て上げててこれもうまいなあと思いました。
アオガミが絶対に主人公を守るということはブレずに一貫しているのに、その中にアオガミの変化を内包している…
VのEDでもあったはずなのに別離は非常にショックでしたし、神だけに長かった髪もなくなり、魔王城リサイクルの至聖所シャカンの虚無ダンジョンっぷりもあいまって割と落ち込んでたので、戻ってきたのは本当に嬉しかった!
ニッチなゲームなりにここぞという時にど真ん中の王道展開で盛り上げてくれるの、よかったです。
ここに限らずですが、主人公の表情の描写やカメラワークでの演出がVより強化されてるなあと思います。画面に説得力がある。イチロウに肩組まれた時とか好き
全体的なストーリーは、これは真Vからなのですが…創造主=神=法の神という大前提がわからないと皆が何話してるかすらよくわからないという印象。仕方ないのかもですがビジュアルもないので余計に。神は皆悪魔に貶められたので神といえば1人だけなのだと理解したのはVの2周目でした。
創生編はさらに、妄信した覚えもないベテルの犬と言われながら大したモチベもないまま王座を目指すことになり、三択も三者の盛り上がりに対し主人公はまあどれでもいいかなみたいな感じで…
神の死が周知されておらずどうやってナホビノの禁破ったの?えっナホビノになれるの!?ベテル解散!王座目指すか!!の流れもちょっとシュールで…そういえばアオガミはなぜ最初から合一できる前提で主人公に近づいてくるのか…神が死ぬ前からツクヨミがそのつもりでアオガミ造ったんでしょうか。研究員もアオガミのつくりの話してたような。
でもこの色々よくわからなくても、キャラクター描写がフワフワしてても、ゲームはきっちり面白いのが真Vのよさでもあるとも思います。最強の悪魔を従えて強くなるぞというゲームのモチベと結果的に一致してるせいかも。
復讐編はベースの神と人と悪魔の話は変わらないのですが、ここに「今の世界を維持する」か「世界を一度混沌に戻す」かという二択を載せ、タオとヨーコとの交流を通じて決めていくという形になっており、圧倒的にわかりやすく、選ぶことへのカタルシスもあり、共感した上でロールプレイングできました。キャラクター描写がストーリーの補強もちゃんとこなしてて。
なんとなくニュートラルが正しいっぽい感じではなく、どっちかだけ!というのも潔いなと。
何よりこれまでの行動と受け答えによりルートが決まるのが嬉しかったです。最後の選択肢だけでってやっぱり寂しかったので。
創生編と異なりベテルと混沌軍の戦いに参加しないので、魔王撃破がテキストだけで済まされるのはさすがに想像つきづらいんじゃないかな…というのは気になったところです。
EDはどちらも好きです。
ヨーコを先に見て気に入っていたので、もう一方はヨーコのタオ版かなくらいに思って見たら違って驚きました。
信じてどちらかの道を選んだけど、果たしてこれで合ってたのか、少しの不安とこれからの期待も感じられる、余韻のあるEDだったなと。
混沌に戻すのはさすがに極端とはいえ、今の世を信じるタオの強引さに反して、EDでの寂しげな表情が印象的でした。
遊びの部分についてなど
中盤のストーリー分岐と新ダアトは本当に期待感でいっぱいでした。
新ダアト新宿区は見晴らしもよく走りやすくて、反省を活かしたんだろうな…という出来で非常に楽しかったです。千代田区と魔王城行かなくていいんだ!!という喜びもあり…
その後は見覚えのありすぎるシャカン、知ってるダアトと知ってる展開に落ち着き始めたのは何重にも気分が盛り下がり、新ダアトは最後に取っておいた方がよかったのでは…と思わなくもなかったです。台東区走り回ってたら不満も忘れちゃいましたが。屋内マップは探索ではないので基本的に面白くないんですよね…
新しいサブイベも詰め込まれてて、楽しいけどそこまで手間をかけなくても…みたいな部分にも謎のボリュームがあり、その割に新ダアトは1つだけだったので、とにかくマップ1つがギリギリであとはできる範囲で入れられるだけ入れたんだろうなあという印象でした。
フリーカメラはもっと拡大できるとよかったな。
新曲も惜しげもなく追加されてて、一度しか流れてないバトル曲も多く大盤振る舞いでした。ユヅル&ヨーコの加入とともに違う展開が始まったのだと思わせてくれるグラシャラボラス戦、真っ赤な背景の似合う八雲&ジョカ戦、キャラクターの印象にぴったりのマンセマット戦、もちろんカディシュトゥ戦も、どれもお気に入りです。
全体的に本当に満足できるゲームでした。
完全版商法に対する不満をたやすく吹き飛ばせるくらいの出来だったし、強制こそできないけどVが好きだった人には遊んでほしいと思いつつ、最初に買った人が損する形なのは好ましくないのでやっぱりここの擁護は難しい。それはそれ、これはこれ…
真VVは真Vの素材を使ってできること全部やったからこそ、真Vにないものはなくて。
この遊び心地で3Dの悪魔を連れ歩きながら、別のストーリー、別のキャラクターをまだまだ楽しみたいので、真VIにも期待したいです。
そうかもね。